しかし、フラットキッチンにいると毎日の様に素敵な出会いが舞い込んでくる。
なにかに吸い寄せられるように。
なんだか一秒も見放せないくらい。
人と話をするって事はこんなにも大切な事なんだと、改めて気付かされる。
その日出会った人同士ですごく深い議論ができたり、
毎日のように「愛」や「死」について語り合ったり。
まさしく僕の思うツボ。
人には触れて欲しくない部分というのが必ずあると思います。
その理由も様々で。
僕は失礼を承知でその一線をちょっと越えて発言してしまう事があります。
それは単純な好奇心からでもあるけど、そこに心の扉のカギがあったりするときもあるから。
より深く人と議論する事を望むあまり、空気を読めなくなってるだけかも知れませんが。。。
ただ僕が望むのは、どこにいても自分が極力「単一な自分」でいたい。という事。
良くも悪くも本質的な自分に一番近い状態。
仕事でもプライベートでも。
だからキッチンのスタッフにも愛のある接客をして欲しい。
お客様に気を遣うだけじゃなく、イヤ、むしろ気を遣うが故に深い話をして欲しい。
初めての人や年の離れた人と話すというのは気を遣うし、とても大変な事だと思う。
でも本音や立て前で使い分けて上辺だけの関係を作っていくくらいならケンカしてでもちゃんと話し合った方がいい。そこに愛があるなら。
確かに人と信頼関係を築いていこうと思ったら時間はかかるかもしれません。
でもこの短い人生で安全を計算しながら遠回りしてるヒマなんてない。
もし近道を知ってるなら僕は危険な冒険を選ぶ。
プライベートな空間やのんびりと雰囲気だけを味わいたいならもっと他にいいカフェはたくさんある。
フラットキッチンは人と人とが裸でぶつかりあえる場所でありたい。
「出会いはあっても別れはない」
が昔からの僕の信条で、人と人とが出会った以上、別れるという事はないと思う。
愛する人と離れ離れになるとしても、
恋人同士がヒドイ破局をしたとしても、
たとえ相手が死んでしまったとしても、
辛さや悲しみを超えてしまえば、後は意識の中に加算されていくだけ。
その人と人生の一瞬を共有できた事がただ幸せなだけ。
そしてその出会いを紡いでいき、その一つ一つが自分を形成していく要素になる。
だから何処で誰に会っても正々堂々といれるように日々生きようと思う。
いろんな人が往来して、いろんな人と出会って欲しい。
そして自分を表現する楽しさってのを分かって欲しい。
それが僕がフラットキッチンを作った一番の意味だから。
株式會社 建大工房
デミズケンダイ